子供の頃、私は親の仕事の都合で数年おきに転校を繰り返していた。
なんとなく気になった子とか、好きな子ができても、いつかは離れなくてはならなかった。
子供の頃の自分が、その時、その瞬間に、別れの寂しさを感じていたかというと、まだまだ子供過ぎて、よくわかっていなかったと思う。「転校したくない」と親に泣いてすがったこともなかったと思う。
でも、大人になってから、あの頃のことを振り返ると、やっぱり好きな子とは、出会いと別れが自分たち同志の流れの中にあったほうが幸せなんじゃないだろうかって思うんだよね。誰かがその間を無理やり離してしまうのではなくて。
だから私は息子の好きな子が近くにいるまでは、ここを離れたくないな。自分が叶えられなかった夢みたいなものを、勝手に託そうとしているのかな、私は。
(α7+85mm F2.8 SAM SAL85F28)