熱海城の十二神将のこの写真は、書籍「コンクリート魂 浅野祥雲大全」の表紙に採用されたものだ。
色は剥げ落ち、像の一部も欠落し始めている。そんな姿が私の脳には「美しい」と感じられたため、写真を撮った。
「来年(2015年)の4月末に、熱海城の十二神将を再生します」という告知がツイートで回っていた。再生プロジェクトにより、オリジナルのカラーリングに準じて塗り直されることに決まったのだ。
熱海城の十二神将は無くならない。むしろ、像が補修されるわけだから延命されると言ってもいいだろう。
ただし、私が撮ったこの「状態」はまもなく無くなる。
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何を是とするか、何を美とするか、それは人それぞれだ。
ただ、自分が美しいと思うものは、写真に残したいと思った。これからもそうすると思う。
それが、私が写真を撮り続ける一つの動機になっている。
(真達羅大将(十二神将)、熱海城/静岡県熱海市、α7+Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z)