写真というのは「ある瞬間、ある場面を切り取ったもの」という価値だけではないんだな、とつくづく思う。
ある場面を切り取るということだけみれば、もう、自分がやらなくても誰かがやってくれたり、機械がやってくれたりするものに、どんどん近づいていく気がしている。
それよりも。
誰が、誰といっしょにいる時に、どんな気分で、どうやってシャターを押したか。そういう体験のほうに比重がどんどん移っていくのではないか。
◇
この写真の彼女が、スマートフォンで撮ったはずの1枚の写真について考えてみる。この写真がうまく撮れたかどうかは、さほど問題ではない。この場所で、彼とともにシャッターを押した出来事が、最後まで記憶に残るのだろう。
記録よりも記憶に残ること。。。
写真の面白さの1つだと思う。
(熱海城から眺める熱海湾/α7+Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z)